ホソミオツネントンボ(Indolestes peregrinus) 越冬型
2025 月報 Monthly Report
アナグマ(Meles anakuma)は、冬眠のため過去3年間では11月中にカメラの前から姿を消していましたが、今年は12月になってもまだ撮影されていました。11月の平均気温(茂原)は12.3℃と過去3年間で最低の値でしたが、話題のクマも餌が食べられれる環境にあれば、冬眠が遅れるということも聞きますので、今年は餌が豊富なのかもしれません。
アナグマの情報が多くなったついでに、今年の冬眠明け(4/30)と冬眠前(11/10)の体型の違いをご覧ください。映像を見ていると9月頃までは比較的スマートですが、10月頃から体型が変わってくるのがわかります。(なお、同一個体か不明です)
トラツグミ(Zoothera dauma aurea) は毎年10-12月頃に1・2回姿を見せてくれます。そして年明けの1月以降になると頻繁に姿を見せてくれる冬鳥です。ほとんど、単独行動の鳥ですが、今回は2羽で撮影されていました。ほとんど保護色なので動いて初めてトラツグミがいると確認できる野鳥です。
10月はアナグマ(Meles anakuma)の撮影回数が2位のアライグマに迫る回数になってきました。アライグマより個体数は少ないでしょうから頻繁に歩き回ってエサ探しをしているようです。体はまるまるしてます。なお、毎年11月中には姿を見せなくなります。
10月11日にイノシシの子供ウリ坊だけ4頭がカメラに写りました。母親がいなようです。まだ離乳したての大きさかと思いますが、これから先どうなってしますのでしょうか。それにしても、イノシシは多いですね。
アナグマは毛並みの良さとまるまるした体型をご覧ください。母親のいないウリ坊4頭があてもなく歩き回っている様子です。母親はどうしたのでしょう。
10月28日ヤマドリ(Syrmaticus soemmerringii)が今年初めてペアで現れました。10月の月報でご覧いただいた謎の鳥と違いを見比べてください。
帰ってきたヤマドリです。10月の月報の謎の鳥は下にスクロールしてください
毎年のことですが、7月、8月は自動撮影カメラの撮影回数が減ります。暑いので場所を移動しているのか子育て中であまり活動をしないのか分かりませんが、今年の撮影回数も7月・8月ともに50数回でした。それが、9月には188回と3倍以上に急に増えました。9月としては多い回数です。多くは、イノシシやアライグマ、アナグマたちの離乳後の子供たちが活動していることと思われます。動画をご覧ください。
子供2組(早く生まれた2頭、小さい5頭)と先頭は小さい子供の母親でしょうか?合計8頭のイノシシのグループのようです。母系集団で子育てをすることは知られていますが、離乳後もこのような集団でも行動するようです。
アライグマの子供たちが盛んにじゃれ合っている姿です。ただし、アライグマやアナグマが離乳する頃には親なのか子供なのか画像からではなかなか区別ができません。
謎の鳥の出現
2025年7月17日と7月19日、そして9月20日にヤマドリぐらいの大きさの鳥が撮影されました。体型からキジの仲間のようなのですが、調べても該当するような種は確認できませんでした。どなたか、お分かりでしょうか。教えていただけると嬉しいです(メール)。
2025年7月17日最初に撮影された時です。動画ではあっという間に見えなくなります・
鳥を拡大しました。体型と羽の模様が分かります。7月19日は小さく3羽写ってました。
9月20日約2ヶ月後に写っていた画像です。拡大してあります。ヤマドリとは違うようです。
ニホンアナグマに今年初めて2頭の産子が確認できました
すでに、母親より1回り小さいくらいの大きさの子供達です。元気に成長しているようですね。8月も終わりになると虫の声もよく聞こえます。
イノシシによる田んぼのお米の被害
結構壊滅的になります。イネの開花後、7月中〜下旬に実がまだミルク状の頃を狙って、イノシシは稲穂を削ぐように食べてしまいます。長柄町では令和5年度に野生鳥獣(全てイノシシとなっています)による被害が3394千円でうち米が2133千円となっています。実際、田んぼがこんな状態になってしまいます。
1 ながらの里山では、田んぼとの境にある林縁部で6月以降多くの未成熟トンボを目にします。それらが、8月には赤トンボに変身して秋の空に飛んで行く姿を見ていました。そんなトンボたちについて少し観察してみた記録を 昆虫の トンボ に動画で載せましたので、ご覧ください。
2 ながらの里山のトンボたち 夏編 では今頃見られるトンボを載せてあります。稲刈りが始まる頃には多くのトンボが飛び回ることでしょう。ハラビロトンボがまだ現れているのには驚きました。なお、まだ記録できていない種類があるかもしれません。
ニホンイノシシ( Sus scrofa )とアライグマ (Procyon lotor) の繁殖状況
イノシシは、既報のとおり5月に9頭と5頭の産子を確認しましたが、6月(27日)には成獣2頭が連れたウリ坊3頭を確認しました。現在17頭の子供達が「ながらの里山」にいます。
アライグマは、6月18日に2頭の産子を連れた母親を今年初めて確認しました。また、7月1日には4頭の産子を連れた母親を確認しています。
2022年以降、イノシシとアライグマは毎年産子を確認しています。ともに農作物を荒らす害獣として至る所で駆除が行われていますが、人里からそんなに離れていない里山で毎年産子が誕生している現実があります。
ニホンリス( Sciurus lis )が78日振りに現れる
4月11日以降姿を見せていなかったニホンリスが夏毛になり6月28日に調査地点Aに現れました。フカフカの冬毛と違いだいぶスマートになったようです。動きが素早く動画でも毛色の違いまではよくわかりませんでした。ニホンリスの詳細ニホンリス を見る
この同じポイントに、6月24日にノウサギ (Lepus brachyurus) が、6月26日にキョン (Muntiacus reevesi )♀が現れましたので、1枚の写真に合成して大きさを比べてみました。写真をご覧ください。
なお、ニホンリスの乗っている竹の直径は約14cmです。
意外とノウサギが大きくて、キョン♀が小さく感じます。みなさんはどうでしょうか?
ウリ坊9頭が誕生しました
今年初めて、イノシシの産子の確認です。9頭の元気なウリ坊が母親の後について歩いていました。3月ごろに誕生し、体重はおよそ3-4kgでしょうか。イノシシは、過去3年間毎年産子を確認しています。詳しくはイノシシをご覧ください。
その7日後、続いて5頭のウリ坊を連れた親子が現れました
この子供達も、元気なウリ坊です。まだ、哺乳中のようでお母さんの乳房が大きくなていますね。ちなみに、子供たちはそれぞれミルクを飲む乳頭の位置が決まっているそうです。なお、子供達も盛んにエサを探しているので離乳も近いでしょう。
トウキョウサンショウウオの幼生31頭を飼育し、変態完了後里山にリリース
ここ数年、50〜100頭の幼生を飼育し、変態完了後に里山に返していましたが、今年はほとんどの卵塊を(たぶんアメリカザリガニに)破壊され、回収できた31個の卵を育てました。無事、6月2日までに全頭里山にリリースしました。数年後には産卵に戻ってきて欲しいです。
なお、飼育に関する詳しい情報はトウキョウサンショウウオ をご覧ください
フキバッタを知ってますか?
フキバッタは翅がとても小さな飛べないバッタです。成虫になっても3〜4cmほどです。県内には広く分布しているようですが、棲息域は限定的で、ながらの里山でも見られる場所は決まっています。毎年、5月中旬ごろに8mmほどの1齢?幼虫が現れます。その後はしばらく見かけますが、なぜか成虫になる頃には姿を消し見かけなくなります。今年は、種名を明らかにするため少し追いかけてみようと思います。
フキバッタは、一見動きが鈍く見ていても隠れるような行動はしませんが、捕まえようとすると大きくジャンプします。ジャンプするとどこに行ったのかわからなくなってしまうほどです。この跳躍力はバッタ界では一番ではないでしょうか。
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2024年動画集に”ワナにより足を負傷する動物たち”という情報を載せましたが、今回は眼についてです。夜行性の動物をこの赤外線による自動撮影カメラで撮影すると両眼が白く丸く輝いています。これは、眼の網膜の後にある輝板という組織(人にはない)が赤外線を反射して起こる作用であることが知られています。ながらの里山の動物たちを撮影していると、2024年にはアライグマとホンドイタチで片目が輝かない個体が1例ずつみられました(写真1、2)。これは、眼を何らかの原因で損傷し、おそらく見えていないということを意味しています。それが今年に入って1月にホンドタヌキで1例、2月にハクビシンで2例、4月にイノシシで1例確認されました(写真3、4、5)。原因を考えると、一般的には繁殖期の闘争やアクシデントによる負傷、遺伝的疾患でしょうが、今まで3年間撮影して、わずか4ヶ月の間に4例の個体を確認したのは初めてです。野生の世界で生き残るには大きなハンディキャップになると思いますので原因が気になります。ただ、昨年1月初めに確認した左眼を損傷したアライグマは、1月末に(たぶんくくりワナ)左前脚約1/3を切断し、8月には3頭の子供を育てている姿を確認しています(動画)。このようなハンディキャップがあるにもかかわらず逞しく生きる動物たちにも驚かされます。野生獣の眼の損傷の原因についてご存知方、いらっしゃいますでしょうか。
トウキョウサンショウウオ( Hynobius tokyoensis )の卵塊が破壊・アズマヒキガエル(Bufo japonicus formosus )の卵塊が消滅、犯人は誰だ?
トウキョウサンショウウオの卵塊が今年は少し増えたと安心していましたが、3月30日〜4月5日の間に卵塊がちぎれたり、ブドウの房状態の卵が飛び出したりしているのを確認しました。既に幼生に発育しているものは、池の中を泳いでいましたが、多くの卵は無くなっていました。池の周りに足跡らしきものはないのですが、アライグマではないかと池にネットを張り、自動撮影カメラをセットし10日間確認しましたが、アライグマが現れることはありませんでした。
一方、近くの池ではここ7年間で初めて3月30日にアズマヒキガエルの産卵を確認し、ふ化を待っていました。1週間後(4月7日)確認しに行ったところ卵塊が跡形もなく消えていました。こちらも、池の周りにアライグマの足跡らしきものはありませんでした。ただ、アメリカザリガニ Procambarus clarkia が多くいる池であるのは知っていました。ネットの情報ではアメリカザリガニがオタマジャクシを食べるとありましたが、まさか、アズマヒキガエル2個体分の卵塊を全て食べてしまうとは予想もしてませんでした。トウキョウサンショウウオもアズマヒキガエルも状況証拠からアメリカザリガニに食べらてしまったようです。アメリカザリガニ恐るべしです。今は、池にヒカリモ (Chromophyton vischeri )がきれいに光っています(写真参照)。
ニホンアナグマ( Meles meles anakuma) 目覚める
ニホンアナグマが今年初めて4月12日にカメラの前に現れました。昨年よりも5日早い登場です。冬眠前に比べると一回り小さくなった感じですが、すぐに元の姿に戻るでしょう。なお、翌日も現れました。詳しくは動画をご覧ください。
ハラビロトンボ (Lyriothemis pachygastra)
昆虫は初めての紹介です。ながらの里山で春一番に羽化するトンボの一つがハラビロトンボです。ハラビロトンボは千葉県選定絶滅危惧種カテゴリーBのトンボになりますが、ながらの里山を代表するトンボと言って良いくらいよく見かけます。羽化後も同じ場所に留まり、オスでは成熟するにつれ体色が黄→黒→濃青と同一種と思えない変わり方をするので大変目立ちます。メスの体色は羽化時(黄色)と変わりませんが、オスより太い体をしています(写真参照)。
その他:☆スワン彗星(C/2025 F2)がこの3月に発見されました。情報を元に4月16日早朝に撮影した画像を星月夜に載せましたので興味のある方はご覧ください。
2019年から毎年”ながらの里山”の一角にある8か所の産卵ポイントを確認していますが、とても環境の良いため池が1つ2020年に埋め立てられたため、現在7か所を確認しています。産卵数は、2019年の38個をピークに2022年は1個まで減りましたが、2023年は9個、2024年は5個、今年は12個となりました。産卵時期は、2021年までは2月中に産卵を確認していましたが、2022年より3月にならないと産卵が確認できなくなりました。今年は特に昨年12月からの少雨で谷津田の田んぼは3月上旬までカラカラの状態でした。小さなため池では水がないところもありましたので、産卵時期が遅くなったと思われます。3月12日に待望のまとまった雨が降り、翌日10個の卵塊を2か所のポイントで確認しました。3月17日にも同じポイントで新たに2個の卵塊を確認しました。また、3月13日の卵塊確認中に1頭のオスを捕獲しました。自然の状態で成体を見つけるのはほとんど困難ですが、この産卵期には水辺でメスを待ち構えるオスを見つけることがあります。
画像は、産卵場所(里山に面した、ため池)、卵塊(バナナ状を呈し、2つで1個体分の卵塊、水中の植物の茎や枝に卵塊の先端を付着させ動かないように固定している)、捕獲した成体(体長約11cm、オス(肛門部分の小さな突起とのどの部分が白くなる)。なお、トウキョウサンショウウオ(Hynobius tokyoensis)は、特定第二種国内希少野生動植物種で絶滅危惧種です。
卵からふ化し幼生が変態するまでの記録を見たい方は、トウキョウサンショウウオ をご覧ください
その他:☆流星群が現れない日の流れ星は何個くらい流れているのか 興味のある方は星月夜 をご覧ください
野生動物の個体識別は難しく、特にアライグマやタヌキは顔や体型にあまり変化がなく画像を見ながらどうしたら識別できるのか色々考えたものでしたが、いまだに良い識別方法は見つかっていません。
2024年6月から確認できるようになった、キョンについては、比較的写真に大きく写ることやオスに角があったり、顔にある筋や額の模様から識別可能ではないかと挑戦してみました。結果、性別だけでなく、個体識別が比較的高い確率で可能でした。併せて、性別による活動時期や活動時間に違いがあることが分かりましたのでまとめてみました。詳しくは、野生動物のキョンの項目をご覧ください。
なお、キョン♂の個体識別の結果、写真の5頭が当調査地に出入りしていることが確認できました。こんなに狭い範囲にこれほどのオスが出入りしているとは思いませんでした。今後、どうなっていくのでしょうか。
キョンの個体識別の調査報告を見る: キョン
ニホンリスが2025年1月15日、2ヶ月振りに撮影されました。わずか数秒と短い動画ですがフワフワの冬毛のリスをご覧ください。
そして、リスと言えば、フサフサで長い尾のイメージですが、昨年、尾の短いリスが撮影されました。最初に見た時は変わった体型なので新種?か・・と思いましたが、動きはリスです。調べてみると、リスの尾は挟まったり掴まれたりすることで、トカゲの尻尾のように切れるそうです。でも、再生しないようです。同じ個体かわかりませんが、同じ日の午前中に尾の長いリスが、午後に尾の短いリスが現れました。その動画をまとめましたのご覧ください。どこかで、怖い目にあったのかも知れませんね。
2ヶ月振りの登場です。元気そうです。
尾の長いリスと尾の短いリス
ノウサギは、2022年に1回、2023年は0回でしたが、2024年は148回と非常に頻繁に現れるようになりました。なぜか理由はわかりません。2025年も1月からよく撮影されています。特に、昨年は撮影されなかった、2頭が一緒に飛び回っている映像が初めて確認されました。そろそろ、繁殖の時期なのでしょうか。
ノウサギ繁殖期の行動か?