撮影開始の2022年には、11種類の哺乳動物が確認されました(表)。2022年の撮影回数割合を見るとアライグマ、ホンドタヌキ(以下タヌキ)、ニホンイノシシ(以下イノシシ)の順で割合が高く、この3種類で全体の76.3%を占めていました(図)。次に多いのは、ノネコでした。アナグマは、11月から翌年3月頃までは冬眠してしまうため撮影されない期間が長い割には高い値を示しています。
2023年は、アライグマ、イノシシが急増しました。動画にも親子がよく写っており、その影響と思われます。タヌキは現状維持でしたが、繁殖した記録は見られませんでした。その他、ノネコとネズミ類が減ったこととキョンとノウサギの記録がありませんでした。
2024年は、タヌキが前年の1/3以下と撮影回数は大幅に減りました。原因は不明です。アライグマもタヌキほどではありませんが1/4近く減りました。イノシシは産子を連れた個体も複数見られ現状維持といったところです。2024年のトッピクスはなんと言ってもノウサギの撮影回数がタヌキに迫って4位になったことです。これも原因は不明です。キョンも6月から12月まで継続して出現しています。また、ニホンリス(以下リス)の撮影回数も2022年より2倍以上に増えています。
小さな里山の一角での出来事ですが、毎年単調な営みが繰り返されると思っていたら、いろいろと変化に富んでいることがわかりました。
2022年は、アライグマ、タヌキ、イノシシで全体の3/4を占めていました。
2023年は、この3種類で全体の約90%を占めていました。
2024年になるとノウサギ、アナグマ、ハクビシン、リス、キョンの撮影回数が増えました
調査地点(A・B)は共に地面を写していることと林内はスギや広葉樹の枝が張り出し、鳥が飛び交うような場所ではないので出現する鳥の種類は、2022年で7種類、2023年で9種類、2024年で9種類とあまり多くありません。
2022年で、出現した回数の多い種類はシロハラ(漂鳥)、キジバト(留鳥)、ヤマドリ(留鳥)、トラツグミ(漂鳥)の順でした。キジバトを除き森林性の鳥でかつ地上で活動する鳥で占められています。また、夏にミゾゴイ(渡鳥)が確認されましたが、2023年以降は確認できていません。
2023年は、ヤマドリ、トラツグミ、キジバト、シロハラの順に撮影回数が多く、昨年に比べシロハラが減ってヤマドリとトラツグミが増えました。なお、1月に1回ハイタカ(漂鳥)を確認しています。
2024年は、前年と同じ順位で、最も多いヤマドリは5月に8羽の雛を連れて歩く姿と、8月に全羽若鳥になった姿も確認できています。トラツグミは撮影期間が10月ごろから4月頃までと限られていますが、地上で採食するため撮影頻度の高い鳥です。
2022年より継続して撮影されている種類は、ヤマドリ、トラツグミ、キジバト、シロハラ、フクロウの5種です。フクロウ(留鳥)も年に1〜2回ですが撮影されいます。
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