今や野生動物を調査・研究する目的で自動撮影カメラはなくてはならないアイテムになっています。しかし、広範囲に生息する野生動物をピンポイントのカメラで生息状況を正確に把握することは難しく、カメラの性能の違いや動作設定方法、設置場所や設置台数、撮影対象となる動物の大きさの違いや移動速度の違いなどから、研究目的によっては問題点があることが指摘されています。しかし、ここでは、廉価になった自動撮影カメラを使いその撮影記録からシンプルに、どんな動物がいるのか、活動時間帯はいつ頃なのか、季節的なあるいは年毎の変動はあるのか、繁殖はしているのかなどの項目について紹介します
調査は、ながらの里山の一角に、2台の自動撮影カメラを設置し、2022年1月1日より24時間365日定点調査を行なっています
調査地点は、直線で約100m離れた2地点(A地点、B地点)で行なっています。A地点は、スギ林と竹林の混在する平坦な場所です。B地点は、尾根筋にある広葉樹林と竹林が混在する山の斜面になった場所です。共に林床は落ち葉が堆積し、けもの道として利用されている場所です。
撮影された動画は全て、動物の種類別に撮影時間と個体数を記録しました
なお、撮影された動物で、同定不可能なものは記録から除外しました
平坦地で付近を通るけもの道が数本あります。B地点とは尾根からと等高線沿からのけもの道がありつながっています。(カメラは写真中央に設置)
西向きの斜面になっている、開けた場所です。尾根筋で左右の谷津田や後方の林へ向かうことができるポイントでもあります。(カメラは写真中央やや上に設置)
スギ林と竹林が混在し、多少西日が射し込みます
主に広葉樹林と竹林で鬱蒼(うっそう)としています